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カラフルⅢ【気象系BL小説】

第15章 タイガーリリー


医師に聞いてもはっきりとしたことはわからなかった。
きっかけは外傷的なストレスだったが、記憶を封じ込めているのはもしかしたら精神的ストレスが原因なのかもしれないと言われた。

脳というのはハードディスクと一緒で、一度記憶されたものはずっと残っているものらしい。
人間の脳の働きで、必要な時にそれを取り出して使うのだと。
よく事故に遭った時に「走馬灯を見る」というが、あれは脳が今までの経験でどうやったら今助かるのか”検索”を掛けている状態なのだとか。

今はその必要なときではないのかもしれないし、まだそれを取り出す準備ができていないのかもしれませんね。

医師はそう言った。

「取り出す準備、ねえ…」

ペンを唇に当て、考え込む。

俺の記憶と、和也の元気の無さは関係があるのだろうか。
この忘れてしまった記憶の中に、和也を「許す」と言ってあげなければならないことがあったのか。

コンコンとノックの音が聞こえた。

「はい」

返事をすると、小さな音を立てて書斎のドアが開いた。

「まだ、起きてたの…?翔…」
「ああ、ごめん。起こした?」
「ううん…もう寝ないと…身体壊すよ?」
「大丈夫だよ…おいで?」

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