第15章 タイガーリリー
それから少しウトウトした。
目が覚めると、和也が微笑んで俺を見下ろしている。
安心してまた目を閉じると、眠りに引きずり込まれていく。
そんなことを繰り返してる内に夜になった。
「どう…?ご飯食べられそう…?」
目覚めるとベッド際に座る和也が、俺の身体を起こしてくれた。
「ああ…だいぶ頭がスッキリしたよ」
「そっか。良かった…」
立ち上がろうとする腕を捉えて、引き寄せた。
「わっ…」
倒れ込んできた身体をぎゅっと抱きしめた。
「ずっと…」
「え?」
「ずっと好きだった…」
「翔…」
戻ってきた記憶が、パズルのピースを嵌めるように繋がった。
二年前…
俺が和也を好きになったのは、二年前だった。
それが恋心だと気づくまで、随分時間が掛かったけど…
ずっと、お前のこと好きだったんだよ…
「翔…嬉しいよ…」
「…なんで…」
ぎゅっと和也の身体を抱きしめ直した。
「なんで、俺のこと避けてたの…?」
「それは…」
あの日…
二人きりでヘッドホンを分け合ってソロの曲を選んだ日。
あの日に和也も、俺のこと好きだって気づいてしまったんだそうだ。
無意識に口ずさんでいたあの曲…