第15章 タイガーリリー
和也が眠ってしまうと、俺はベッドを抜け出した。
明日、二人でゆっくり過ごせるよう資料をまとめてしまおうと思ったからだ。
リビングの隣にある書斎に入って、パソコンの電源を入れる。
デスクライトだけで充分だったから、そのまま部屋の電気はつけずに作業を始めた。
月曜のイチメンに間に合わせないと。
集めた資料を精査し、まとめ上げていく。
だんだん一つの報告書形式になってくる頃には、眠気が襲ってきた。
「コーヒーでも淹れるか…」
キッチンでコーヒーを淹れて、少しデスクで休憩した。
ネットで嵐のニュースでもチェックしておこうとブラウザを立ち上げた。
いつも開くトップページにはガヤガヤと記事が羅列されている。
その中の一つに目が止まった。
「あ…」
見覚えがある名前がホットワードに上がっていた。
「…なんだっけ…」
その名前を思わずクリックした。
「あ…!」
そこには和也とその女性の熱愛報道があった。
しかもそれは続報で、今だに続いているんじゃないかというデタラメな推測記事だった。
「は…馬鹿馬鹿しい…」
今、和也とつきあってるのは俺だ。
記憶がすっぽりないとは言え、和也の人間が変わったわけでもあるまいし…
俺のこと裏切ってるなんて思えなかった。