第15章 タイガーリリー
それから、ニノが持ってきた荷物からいろいろ取り出して俺に見せてくれた。
「コレ、俺達が事務所に入った頃の写真だよ…」
そう言って見せてくれたのは、テレ朝にあった稽古場の写真だった。
米粒な俺とちょっと幼い感じのニノがじゃれあうように写っている。
「懐かしいな…」
「これ、ほら…大坂くんだよ。ここべんくんとか覚えてる?」
「覚えてるよ…三浦のべんくん…」
暫く写真を見ながら辞めていった仲間たちの思い出話をした。
ニノのことは思い出せないけど、話していたエピソードは同じものだった。
やっぱり…同じ時を過ごしてきてんだな…
「大丈夫?ちょっと休憩する?」
気がついたら二時間近く経っていた。
「ああ…じゃあ、コーヒー淹れなおそうか…」
コーヒーを入れ直して戻ると、窓辺にニノが立っていた。
「ニノ…」
呼びかけるとニノが微笑みながら振り返った。
その瞬間、胸が高鳴った。
「…どうしたの?」
「あ、いや…」
思わずニノに見惚れていた。
とても笑顔がかわいいと思った。
「…こっちこいよ、ニノ…」
「…うん…」
ローテーブルに、今度はマグカップを並べて置いた。
それを見て嬉しそうにまた微笑んだ。
俺の隣に座って、少しだけ身体を近づけた。