第15章 タイガーリリー
「いや、近いっ…近いって…」
「翔ちゃん…!」
突然、ニノは俺のこと抱きしめた。
「嫌…?嫌なら、突き飛ばしてよ…」
ふんわりとニノのいい匂いが香った。
ぎゅっと抱きしめられた体温が、なんだかとてつもなく気持ち良くて…
嫌じゃ…ない…
「…どう…?嫌…かな…?」
ニノの声が震えてる…
「いや…あの…」
「嫌じゃないの…?」
「え…う、ん…」
ふっとニノの腕が緩んだ。
「…良かった…嫌われてないんだ…」
「え…?」
「ううん…なんでもない…」
ニノが身体を離して顔を覗き込んできた。
「翔ちゃん…」
きらきらまつげが光っていた。
涙…?
泣いてるの…?
白い頬に、少し赤みが差して…
潤んだ赤い目…
「あ…」
「え?何…?」
「その目…見覚えがある…」
あれは、なんの時だったんだろう…
赤い目をしていた…
「ほんと…?俺のこと、覚えてる…?」
でも、思い出せるのは目だけだった。
「ごめん…」
「ううん…いいの。ゆっくり思い出していこう…?」
そういってこつんとおでこをくっつけた。
男なのに…
全然嫌じゃない…
どうして…?
やっぱり、俺とニノは付き合っていたの…?