第15章 タイガーリリー
「ごめん…今日、オフだったんだろ…?」
向かいのソファに腰掛けながら言うと、ニノは首を横に振った。
「午前中にロケあったから、完全なオフじゃなかったんだ」
「そっか…お疲れ様…」
ニノはマグカップを両手で持つと、コーヒーを啜った。
「でも、不思議だね…なんで俺のことだけ忘れたんだろうね…」
「さあ…でも、医者は一時的なものじゃないかって言ってるし…そのうち思い出すと思うからさ…ごめんな?」
「そっか…」
ニノはふうふう言いながらコーヒーを冷ましてる。
その仕草にちょっと見覚えがあった気がした。
「やっぱり…」
「え?」
「うん…多分大丈夫。思い出せると思うから…」
「ほんとに…?」
「うん。なんとなく…見覚えがある気がする…」
そういうと、ニノは目を潤ませた。
「俺…ちゃんと思い出して貰えるように、頑張るから」
「えっ…そんな、ニノの責任じゃないだろ…?頑張らなくっていいから…」
笑って手を振ったらニノはマグカップをローテーブルに置いた。
「翔ちゃん…あのね…」
そういうと、立ちあがって俺の隣に座った。
「え?なに?」
「今から大事なこと言うから…ちゃんと聞いてくれる?」