第15章 タイガーリリー
次の日、車椅子バスケの練習に参加していた。
前日のことが頭から離れない。
昨日収録が終わってから家にまっすぐ帰ったけど、よく眠れなかった。
身体、だるい…
「大丈夫ですか?顔色、あんまりよくないけど…」
チームドクターさんが話しかけてきたけど、笑っておいた。
ウォームアップして、身体を馴らす。
ランニングを少ししたら、早速車椅子に乗る練習から始めた。
「だいぶいいですね…そろそろボール触ってみます?」
コーチから言われて、車椅子に乗ったままパスをしてみるところから始めた。
「じゃあ、よろしくお願いします」
相手の選手に礼をして車椅子に乗ったままボールを投げあった。
足の踏ん張りが利かない分、ボールを思ったところまで飛ばすにはとても力が要って。
数分もしない内に、腕が痛くなってきた。
「いやあ…キツイっすね」
笑いながら腕を擦って、ボールを床についた。
バウンドして手の中に戻ってこないで、車椅子のガードに当たってしまった。
「あっ…しまった…」
誰もいない壁際に転がって行ってしまったから、練習がてら自分で取りに行こうとタイヤに手を掛けた。
「取ってきます」
そう言って車椅子を勢い良く下げた瞬間、声が聞こえた。
「危ないっ…櫻井さんっ…」