第15章 タイガーリリー
びくりと肩が震えた。
ニノが怯えたような目を俺に向けた。
久しぶりに、目が合った。
「え…?誰に?」
「だから…お前の彼女に。汐留の報道フロアで」
「…で?なんか言ってた?」
「別に…元気そうにしてたよ」
「そっか……もう別れたから…」
「…そうなんだ…」
ちょっと探るような目をして俺のこと見てる。
「…なんで、あんなことしたの?」
「…え…?」
「わざと?」
「な、なんのことだよ…」
目を逸らして、ゲームをまた始めた。
「だって…あれ、彼女やってないって言ってたぞ」
「はあ?あんなわかりやすいことしといて?何言ってんだろ」
「…そんなに別れたかったの…?彼女と」
「だから、なんのことだよ…」
「おまえがしたんじゃないの?」
不自然に笑って、こっちを見ない。
「そんなわけないじゃん」
「他に、好きなやついるの?」
多分、これが一番聞きたかったのかもしれない。
「…なに…?」
ニノの手が止まった。
顔を上げて、俺を見た。
それは、二年前見たあの顔だった。
「好きなやつ…」
呟いたその顔は、真っ赤で…
驚きと戸惑いの混じった目で、俺を見ていた。
もしかして…