第11章 グレイscene4
行きの道路は渋滞もなくすいすいと海水浴場に到着した。
この海水浴場は穴場と言われていて。
しゃれおつな海水浴場なんだけど、ナンパ目的の下品な感じの若いのは少ないとのこと。
俺達を見つけて一番はしゃぐのはそういう輩が多いから、まずこの点だけでも行ってみたいと思った。
それに、ね。
助手席で眠る、このかわいい恋人が海に行きたいって言うからさ。
釣りでも良かったんだけど、急だったから船が取れなかった。
だから、前からリサーチしてた海水浴場に遊びに来ることになったんだ。
「智くん、起きて!」
「んーにゃ…」
「着いたよ!海」
「にゃーっ!」
猫ひろしばりの叫び声を上げて助手席から飛び起きた。
「わぁ…すげ、綺麗!」
「だろお?ほら、早く。準備するから降りて?」
「はあい!」
浮き輪を抱えて降りてきた智くんは、子供みたいにはしゃいでて…
連れてこれてよかったな…
海の家で場所とパラソルを借りて、砂浜に基地を作る。
二人分の荷物を運んだだけで汗塗れになった。
「智くん、着替えてこようか」
「うん。行こう!」
荷物を持って海の家の更衣室に入って着替え始めた。
「あっ…」
隣の個室から、小さな声。
「ん?どうしたの?智くん」
「…海パン…忘れた」
「えっ!?」