第11章 グレイscene4
夏になったら、行こうって決めてたんだ。
そう、海!
「智くん、準備できた?」
「うん!」
「えっ…もう浮き輪膨らませてるの?」
「だって!」
「わかったわかった…待ちきれないのね…」
まだ浮き輪にふーふー息を吹き込んでる智くんの手を引いて、なんとか車に積み込んだ。
「さあ、出発しんこーっ!」
「しんこーっ!」
勢い良く出発したはいいけど、智くんは助手席であっという間に舟を漕ぎだす始末…
「ねえ…昨日もしかして寝てないの?」
「うにゃ…寝たよぉ…」
「なのに眠いの?」
「楽しみで…寝たの明け方…ふぁぁ…」
遠足前の小学生かっ
「しょうがないなあ…ちゃんと準備出来た?海パン忘れてないよね?」
「だいじょおぶだよお…翔ちゃんは心配性だなあ…」
「普段のあなたが信用ならないってなんで思ってくれないの」
「てへ」
可愛い顔しちゃって…
もう…その顔すればなんでも許されると思ってんだろ…
その通りだよっ!
「着いたら起こすから、寝てな?」
「んーん。だいじょうぶ!」
「目ぇ閉じながらいうセリフか!」
「らいじょうぶらってぇ…」
「ろれつも回ってねえし!」
「むふふ…」
言ってる間に、寝やがった。
ほんと…
かわいいじゃねえかよおおおおお!