第11章 グレイscene4
「誰か…ごめん、翔ちゃん支えてくれない?」
いつのまにか、居酒屋の外に居た。
打ち上げはお開きになったらしい。
俺はもう足にもどこにも力が入ってなくて、雅紀に寄りかかって立っていた。
「じゃあ、俺が…」
潤の声が聞こえると、ふんわりと潤の香水に包まれた。
「ごめん、トイレ行ってくるから…戻ったら一緒に帰るからさ」
「わかった。早く行ってこいよ」
トイレ…
またトイレ行くの
あの女が待ってるの?
ねえ…
雅紀
いかないで
「翔くん?」
潤の手が俺の頬を包んだ。
「どうしたの…?なんで、泣いてるの?」
俺の髪に、潤の唇が埋まった。
その温かさに思わず縋った。
「おね…がい…」
「え?」
「連れて行って…」
「え…でも…相葉さんが…」
「いい…どこか…どこでもいい…連れて行って」
「翔くん…」
後輩の乗ろうとしていたタクシーを奪って、潤は俺を連れ出した。
そこからはあまりなにも覚えていない。
気がついたら、潤の腕の中で俺は果てようとしていた。
「翔くん…凄いね…こんな身体…いつも相葉さんにだけ開いてるの…?」
潤の嬉しそうな声だけが、頭に残った。
そうだよ…
だって、俺には…
雅紀しか居ないんだもん…