第11章 グレイscene4
「…二人っきりなの?」
「いやぁ…小栗とか優ちゃんとかと一緒みたいだけど…」
「…じゃあいいじゃん…同窓会みたいなもんだし」
「だけどさあ…潤はこれからが大変なのに」
翔くんだって、大変じゃないの…?
また自分のことは棚に上げて、人のことばっかり心配してんだから…
「あっ…」
また短い叫び。
今度は誰?ニノ?
「ニノぉぉぉ…」
「…どうしたの…?」
「あいつう…俺が予約してやった整体良かったって!」
「…それは…いいことなんじゃないの…?」
「嬉しいよ!おまけに、整体のチケット十枚綴買ったってさ!すげえ嬉しいよ!」
半分泣きそうになりながらスマホの画面を見てる。
「…良かったね…」
「うん!これであいつ、腰が少しでも良くなれば…」
ぐずっと鼻をすすりながら、翔くんはやっと俺を見た。
「あ…」
「…なに?」
「ごめんっ!絵描くの邪魔しちゃったね!」
「…全然…」
「ごめんねごめんねっ…」
慌てて翔くんは立ちあがった。
「…なにしてんの?」
「いや、俺どっかで時間潰してくる。これ以上智くんの創作の邪魔したくないから…」
「…もう、だから邪魔じゃないって言ってるだろ?」
「いやいや…だって手止まってるもん。ほんとごめんね?」