第11章 グレイscene4
潤の隣には榮倉ちゃんが居て。
何度目の共演になるのかわからないほど共演してる二人は、兄弟みたいに仲良く飲んでた。
そこに加わる香川さん。
絶妙な漫才を見てるような掛け合い。
思わず吹き出してしまうほどの面白さだった。
でも…
俺に挨拶をしろと言って連れてきたのに、潤は共演者と喋ってばかりで…
俺、座らされたはいいけど友達待たせてるし…
潤の方をチラチラみても、一向に気づかない。
いい気分で楽しそうにしてる潤をただ眺めてるだけだった。
「あのさ、潤…」
無理に潤の服の裾を引っ張ってなんとか挨拶にこぎつけた。
「あ、ごめんね…えっと…」
「いいから。あの、うちの松本が本当にお世話になってます。視聴率も絶好調だし、ほんとドラマ面白いです。最後まで楽しみにしてますんで…」
「おおっ!凄い櫻井先生!」
「先生じゃないですって!あ、主題歌も…お陰さまで好評で…ほんと、皆様のお陰です。ありがとうございます」
「よっ!嵐の大黒柱っ!」
「だから違いますって!…ということで、友人待たせてますんで…ここで、失礼します…」
ペコリと頭を下げると、俺は個室を出た。
後を追ってきた潤が、俺の顔を覗き込んだ。
「どうしたの…?嫌だった?」
「ちげーよ。トイレ行きたいのっ」
ごまかしてみたけど…
潤の前で不機嫌ヅラを隠すことはできなかった。
「でも…」
「いいから、戻れよ」
「翔くんっ…」
ばかやろう…
なんで…俺のこと放っとくんだよ…
「はぁ…」
トイレの個室で一人蹲った。
「なにこんなにイライラしてんだ…」