第11章 グレイscene4
「翔くんさ、俺のドラマの主題歌、ラップ入れてくれないかな?」
「えっ?」
ドラマの話がどんどん進んでいた時だった。
智くんも潤のドラマも主題歌は俺達に決まって、さてどんな曲にしようかと言っていた矢先だった。
「いいけど…ドラマの感じわかんないと、リリック書きづらいな…」
「えっ!書いてくれる?感じが分かればいいの?」
「そ、そんな期待するなよ…」
「だって…!翔くんの書くのなら、確実だよ!だから…お願いっ!」
顔の前で手を合わせて頭を下げた。
「おい…やめろって…」
「台本!」
「え?」
「台本渡すから!それ読めば書ける?」
「あ、ああ…それなら行けるかも…」
…なんか、嬉しかった。
潤に頼りにされてる…俺の作るラップを評価してくれてるんだって思って。
潤からこんな事をお願いされるのは初めてのことで…
それに…
こんなに率直に俺のこと褒める潤って、すごく珍しくて。
そう…デビューした頃に戻ったみたいだった。
「わー!櫻井くん!」
香川さんの声が個室に響く。
「あ、どうも…ご無沙汰してます」
「え?どうしたの?松本くん呼んだの?」
「いえ、偶然。俺は友達と隣の部屋にいるんです」
潤の個室には、あの弁護士事務所の共演者がそろっていた。
スタッフさんは居なかった。
なんか和気藹々といいムードで飲み会は盛り上がってた。