第11章 グレイscene4
その日から、俺と翔は付き合ってる。
だけど、お互いに臆病だから明確な言葉は何もない。
それに…
キスから先にも進んでいない。
傷つくのが怖いから。
ただでさえ、男同士。
しかも長年同じグループで活動してる芸能人。
障害なんて俺達にはありすぎて…
上手くいくわけがない。
そう思ってた。
だから…俺達の間にはなんの約束も束縛もない。
ただ、一緒に時を過ごす。
これだけが俺たちの絆だった。
疲れて家に辿り着いて、玄関の扉を開けた瞬間…
リビングから漏れる明かり。
今日、来てくれたんだ…
ただ、これだけが最上の喜びだった。
翔…
あなたが居てくれるだけでいい。
それだけで俺は…
付かず、離れず。
そんな日々が何年も過ぎた。
その間に、翔に彼女ができたり、俺に女ができたり。
それでも俺達の関係性にはなにも変わりがない。
俺たちは男で…
弱い。
だから支えてくれるロープがあったら縋り付く。
それはお互いに分かってる。
だから、そのことに関しては責めたりもしない。
責められるはずもない。
女に溺れている間、翔の顔が頭から離れない。
それは翔も同じだと思う。
それが、俺達への罰。
地獄の責め苦よりも辛い、罰。