第11章 グレイscene4
順調に、事故もなくリハは進んでいく。
お昼休憩は各自ってことになって、ケータリングの部屋へ行って適当に飯をかっこむ。
その間にタブレットで、オリンピックの競技結果を追いかけた。
「ごふっ…」
よそ見しながら食べてたから、喉にそばを詰まらせた。
「ごふっごふっ…」
「翔ちゃん!水っ…」
いつの間にか隣りに座ってた雅紀が、コップに入った水を差し出してくる。
「すまん…ごふっ…」
「いいから早く飲んで」
背中を擦りながらコップを持っていてくれる。
雅紀の手ごと掴んでコップを握って水を流しこんだ。
なんとかおさまって、雅紀の方をみたらちょっとだけ怒った顔をしていた。
「あ…ごめん…」
「別に謝られることじゃないけど…ご飯の時はご飯に集中しよ?喉痛めちゃうよ?」
「ああ…そうだな…」
タブレットを閉じて、トレイに向き直る。
コロンと何か転がってきた。
のど飴…
「それ、俺がいつも舐めてるやつ」
雅紀がそっと耳元に囁いた。
「俺だと思って大事に舐めてね?」
「ばっ…おまっ…」
くすくす笑うと、食事を始める。
そんな雅紀の横顔を見てたら、また少し身体が緩んだ気がした。
「ありがとうな…雅紀…」