第11章 グレイscene4
「…大丈夫…」
ほら、そうやってすぐ殻に閉じこもる…
「だめだよ…俺は雅紀のなんなの…?」
「え…?」
「恋人でしょ?」
雅紀はみるみる真っ赤になった。
今更照れるのもかわいい。
「だから…二人で、悩もうよ…」
「潤…」
「愛してるよ…雅紀…」
「…ほんと…?」
潤んだ目で俺をまっすぐ見つめてくる。
「ほんとだよ…雅紀は…?」
「俺も…愛してる…」
ぎゅっと雅紀は俺にしがみつくと、胸に顔を埋めた。
その肩が震えてる。
やっぱり…なんか悩んでるんだ…
「言って…?雅紀…」
雅紀は俺の胸で首を横に振る。
「なんで?俺じゃ頼りない…?」
「…違う…そうじゃない…」
それでも雅紀は口を割らなくて…
そのまま胸に抱いていたら、眠ってしまった。
寝顔を見つめながら、ため息が出るのを止められない。
「雅紀…頼って…俺に…」
涙を拭き取ると、抱えてベッドに運んだ。
そんな日々が続いて、アリーナツアーも終わって…
いよいよ冬のツアーの準備も佳境に入る。
アルバムのレコーディングに加えて、振付やリハーサルなんかも平行して行われる。
今回も雅紀は振り落としで苦戦してる。
いつものことだけど、それはちょっと深刻だった。