第11章 グレイscene4
「…と、まあ…こんな感じ…?」
直接的な表現をバンバン使いながら、約30分の講義は終了した。
智くんは呆然とした顔をしている。
「その紙袋の中のおもちゃも使えば、随分相手を楽にすることはできると思う」
「うん……」
まだ呆けている智くんの顔を見ながら、ぬるくなったビールを煽った。
そうだよな…あんなとこに自分の息子ぶっこむなんて…
まあそこしか穴がないからしょうがないんだろうけどさ…
オーラルセックスじゃやっぱなあ…
本当に好きな人とは繋がりたいもんな。
わかる気がする…
ビールを飲み干して、まだ飲み足りないから店員を呼ぼうとしたら智くんに止められた。
「あのさっ!家に、この前釣ったイサキが冷凍してあるから、来ない!?ごちそうするから!お礼だよ!」
ものすごい勢いで言われて、さっさと会計を済まされてしまった。
ビール一杯しか飲まないで、一時間もしないで居酒屋を出た。
智くんの家に招待されるのは初めてだった。
マンションの近くで車を降りると、駆けるように智くんは歩いて行く。
嬉しそうな顔で歩いているのを見ると、役に立ったようで俺も嬉しかった。
「智くん、頑張ってね」
「うんっ…絶対、頑張るから…」
部屋に上がると、意外と整頓された部屋。
俺や潤の部屋よりも綺麗だった。
意外と…マメなんだね…
俺をリビングの紫のソファに座らせると、いそいそとキッチンに入っていった。
ガタンっとすごい音が聴こえて、心配になってキッチンに行くと、床にひっくり返ってる智くんが居た。
呆然とした顔をしている。
「ちょっ…どうしたの!?大丈夫?」
「あ、うん…大丈夫!」
てへっと笑うと、逆側にある扉からキッチンを出て行った。
「…どうしたんだろ…?」
リビングに戻ると、ソファに座った。
なんとなく落ち着かない。
智くんがビールの缶片手に戻ってきた。