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カラフルⅢ【気象系BL小説】

第11章 グレイscene4


きらり、目の奥が光った。

「…俺に嘘ついていいと思ってんの…?」

顎を持つ手を伝わせて、俺の首を持つ。

「生意気なんだよ…潤」

ギリっと首を持つ手に力が入る。

「う…やめ…」
「なんで俺に素直にならねえんだよ…?」

見せないと…全部見せないと、雅紀は狂う。

「ちが…本当に…だいじょぶだか…ら…」

急に首から手が離れた瞬間、頬に熱い衝撃が来た。

「言えよ…辛いって」
「ちがう…」
「じゃあ、嫉妬しましたって言えよ」

ザラリとした声が頭蓋骨の裏に張り付く。

「ニノのこと、気に入らないんだろ?そう言えよ」

あの日が近づいていくると、俺も狂う。
一年に二回だけの逢瀬の日。
だんだん神経が敏感になって、普段気にならないことでも傷ついてしまう。

壁に背を付けたまま、床に崩れ落ちる。
俺を見下ろす雅紀の目は、なんの感情もない。
ただ、呼吸を荒くして何かを堪えるように襟元を握りしめている。

「嫉妬…しました…」

目の端に溜まった涙がこぼれ落ちてく。

「お願い…雅紀…抱きしめて…」

伸ばした両手を満足気に笑いながら掴むと、身体を引き寄せられる。
雅紀の汗の匂いを感じたと思ったら、体温に包まれる。

たったこれだけで、俺は救われる。
どんなに一人で突っ張っても、格好つけても…
これだけのプロジェクトを一人で引っ張っていくのは、限界があって。
毎年必ずどこかのポイントでダウンする。
誰にも知られないように、一人で部屋で蹲る。

誰にも言っていないのに、雅紀はそれを知っている。

抱きしめられた体温が、俺の心の頑なな壁を溶かしていく。

「30日、パークハイアットで…」

耳元で囁かれる声に、めまいがした。

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