第11章 グレイscene4
年に二度…
お互いの誕生日。
この日だけ、俺達は身体を重ねる。
約束なんてない。
誓いなんてない。
言葉も、贈り物もない。
だけど、この時だけは愛してると囁き合う。
「潤…愛してるよ…」
「雅紀…もっと…もっとちょうだい…」
汗に濡れた身体を力いっぱい抱きしめて、忘れないよう必死に雅紀を頭に刻む。
「もっと感じろよ…それとも俺に飽きた?」
「そんな…愛してる…もっとっ欲しいっ…」
「潤…」
最奥に雅紀を感じると、身体が震えるくらいの快感が突き抜けていく。
「きもち…い…雅紀…もっと壊して…」
「歯ぁ、食いしばれ」
ぎらりと俺を食い殺しそうな目をして、激しく奥を穿つ。
何度も抜き差しされるソレの熱で、身体が痙攣を起こしそう。
だけど、まだ欲しい。まだ足りない。
雅紀が普段押し殺してる闇…
俺だけに見せる闇…
「ちょうだい…それも…」
「え…?」
汗が目に入りそうになってる。
身体を起こして、目の上に溜まっている汗の雫を吸い込む。
「汗が…旨いのかよ…変態野郎」
俺の身体をうつ伏せにすると、腰だけ持ち上げて貫く。
「あああっ…だめっ出るっ…」
「イけよ…何回でもイっちまえっ…」
俺のよがる姿を見ないと、雅紀は射精できない。
満足できない身体を抱えて、彷徨ってるんだ。
狂気が爆発しないと、俺達は身体を重ねることができない。
それは…雅紀の狂気…
それから、俺の狂気…
後ろから俺の頭をベッドに押さえつけて、ひたすら腰を振り続ける雅紀の息遣い。
俺の嬌声…
これで、いい
雅紀の闇を受け止められるのは、俺だけ
俺の弱さを受け止められるのは、雅紀だけ
「雅紀っ…愛してるっ…」
「潤、愛してるっ…」
俺のタルタロス…
年に二回だけの、俺の恋人…
【END】