第11章 グレイscene4
ポケットに手を突っ込んで小銭を出した。
「あ…10円足りない…」
自販機全体を見たけど、10円が足りないから何も買えない。
ぼけっと何故かある、あたたか~いおしるこを眺めていた。
「…それ、飲みたいの?」
後ろから聴こえる声。
振り返ると相葉ちゃんがポケットに手を突っ込んで立っていた。
「今飲むの?小銭ないの?」
「あ…うん…じゅうえん…」
「10円足りないの?」
「うん」
相葉ちゃんはポケットから手を出すと、俺の手を取って10円玉を落とした。
「ほい。買いなよ」
「…ありがと…」
別に飲みたくもないけど、おしるこをぽちっと押した。
当たり前だけどでてきたおしるこはあっつくて。
「あちっ…」
思わず取り落とすと、ころころと相葉ちゃんの足元に転がった。
「熱いに決まってるでしょ…」
そう言っておしるこの缶を取ってくれた。
「ありがと…」
ぽとんと俺の手に落とすと、にっこり笑った。
釣られて俺も笑う。
「んふ…」
「ふふ…」
ぐいっと相葉ちゃんの手が俺の頬を擦った。
「ほっぺ赤い」
「そう?」
「かーわいい」
「もうやめてよ…」
相葉ちゃんは笑いながら俺の肩に腕を回した。