第11章 グレイscene4
ニノが俺の腕を振りほどいた瞬間、椅子が後ろに倒れそうになった。
「あっ…」
「危ないっ…」
ニノの声が聞こえた瞬間目を閉じた。
「あれ…?」
いつまで経っても、衝撃は来なかった。
「もう…なにやってんだよ…」
「え…?」
相葉ちゃんの低い声が聞こえた。
目を開けたら、椅子を支える手が見えた。
「相葉ちゃん…」
「立って、ほら」
ぐいっと腕を引かれて立たされた。
たった瞬間ガタンと椅子は後ろに倒れた。
「危ないから…気をつけてね?」
「う、うん…」
それは…わかったんだけど…
なんか俺、相葉ちゃんに抱かれてる。
ぎゅっと胸に抱きしめられてる。
相葉ちゃんの匂いが、クラクラする。
「リーダー?」
「う、うん。ごめんね?」
俺、今、顔が真っ赤だ…
どうしよう。
顔が上げられない。
慌てて相葉ちゃんから身体を離すと、背中を向けた。
相葉ちゃんを見ないように椅子を直したら、楽屋を飛び出した。
「ちょっと!どこいくのよ!おじさん!」
「じゅ、じゅーしゅ!」
あんまり慌ててたから噛みながらドアを閉めた。
ジュースなんて楽屋にたくさんあるのに…
無駄に走って自販機の前まで来てしまった。