第11章 グレイscene4
ほんの短い距離でも…
手を繋いでくれる。
その気持ちが、嬉しい。
”こんな距離なのに手を繋ぎたかったの?”
”うん。翔ちゃんと手を繋いで歩きたかった”
そう言ってくれる和也が、好きで…
本当に好きで…
離れたく…ないな…
「翔ちゃん…?」
立ち止まってしまった俺の顔を覗き込むと、和也は少し笑った。
「一生離れるわけじゃないでしょ…?」
「うん…」
「俺はどこにも行かないから…」
「わかってる」
「無事に…帰ってくるんだよ」
最後は真面目な顔をして、和也は俺を抱きしめた。
俺と同じボディソープの香り…
そっと背中に手を回して抱きしめると、まだ濡れていた。
「和也…ちゃんと拭かないとだめだぞ…」
「ん…?」
「俺が日本に居ない間に、体調崩したらどうすんだよ…」
「大丈夫だよ…」
「だーめ」
洗面所に行って、ハンドタオルを手に戻った。
和也の背中を拭くと、濡れた髪もガシガシ拭いた。
「ドライヤー…」
戻ろうとする手を握られた。
「どうせ後からまた入るんだから…」
「あ…」
真っ赤になった俺を連れて寝室に入った。
「なるべく無理させないから…」
少し、切羽詰まった声だった。
和也も…寂しいんだ…