第11章 グレイscene4
「ね、時間まだあるでしょ?」
「え…うん…午前中に生放送はあるけど、大丈夫」
「じゃあ…翔ちゃんを、ちょうだい?」
時間は真夜中の2時だった。
もしかして…仕事、今まで掛かってたの?
疲れてるのに、俺に会いにきてくれたの…?
「和也…疲れてるんじゃないの…?」
「ん…?そうだね…でも、翔ちゃんに会うほうが、大事だよ…」
ゆっくりと身体をベッドに倒されると、和也の唇が降りてきた。
「あ…」
「え?」
「ごめん…シャワーしてきてもいい?」
「…いいよ、そんなの…」
「だめだよ…今日は1日ロケだったから」
それに…と和也はつぶやいた。
「海外に行くのに、体調悪くさせちゃいけないからね」
「え?」
「一発抜いてくる」
「ばっ…ばかっ…」
和也は笑いながら寝室を出て行った。
なんとなく手持ち無沙汰になった俺はキッチンへ出た。
ビールを手に取ると、一気に煽る。
飲み終わる頃、和也がバスルームから出てきた。
バスタオルを腰に巻いたままの姿だった。
「もう抜いたの…?」
「ばか…冗談だよ…」
「だよね…」
和也も冷蔵庫の前に来たら、ビールの缶を取り出した。
ぐびりと飲み干すと、俺の飲み干した缶の横に、コツンと並べた。
「さ…行こうか…」
そっと俺の手を握ると、そのまま歩き出した。