第9章 退紅(あらそめ)scene3
「子供なんて要らない」
その手を引き寄せられた。
智くんの胸に俺は抱き寄せられた。
「翔くん以外…いらない」
智くんの手が俺の頬に触れた。
そのまま顔を上げると、唇が重なった。
「なにも…いらない」
ラグの上に押し倒されると、智くんが俺の上に覆いかぶさった。
シャツのボタンを無表情で一個一個外していく。
すべて外すと、今度はベルトに手を掛ける。
カチャカチャと音がしてベルトが引き抜かれる。
そのままズボンのボタンを外された。
するりと智くんの手が、中に差し入れられた。
「あ…」
久しぶりのぬくもりに思わず声が出る。
きゅっと俺を握りこむと、その手は緩やかに動き出した。
「翔くん…欲しい…」
囁きに、身体が昂ぶってくる。
「翔くんが俺のこと嫌いになっても…俺は翔くんから離れないよ」
身体に起こった熱で、視界がぼやけてくる。
「翔くんのこと、切り刻んで食べるまでは離れないから」
智くんの手の動きが早くなる。
堪えきれず声が漏れると、智くんは微笑んだ。
「一生…離さない」
怖いくらいの微笑み。
身体の芯が凍るほどの冷たい笑み。
「待って…智くん…」
「待てない」
そう言うと智くんは自分のズボンを脱ぎ捨てた。