第9章 退紅(あらそめ)scene3
なんだか知らないがすぐに病院に引っ張られていった。
「櫻井さん、最近すごいストレスを感じましたか?」
「いいえ…?それほどのことはなにも」
「じゃあ、頭を打ったとか?」
「ないです」
「じゃあ、熱を出された時のことを覚えてますか?」
「俺が風呂で疲れて居眠りしたから…」
「なるほど…」
もう時間は深夜になってた。
リハーサル大丈夫かな…
俺、今朝も遅れて行ったし…
「何か、気になりますか?」
「あ…いや、あの仕事が…」
「わかりました。明日は?」
医師がマネージャーを見た。
「朝一なら…」
「わかりました…検査を受けられるよう準備しておきますので…今は、技師がいないので…」
「わかりました…」
チーフマネが頭を下げた。
「どうぞよろしくお願いします」
「ねえ、一体なんなの?」
「俺が聞きたいわ…」
チーフマネは昔、俺のマネージャーだったから気心が知れてる。
「なんで今、病院連れてかれたわけ?」
「お前の頭が悪いからだ」
「はぁ?忙しい時にそんな冗談やめてくれよ」
「今日、大野のスキャンダル記事がフライデーに載った」
「えっ!?」
「明日のコンサート前の記者会見はきっとその質問が出る。お前、準備しとけ」
そう言って、雑誌を投げ渡された。