第7章 ショコラscene3
客間に入ると、翔ちゃんはまだソファで眠っていた。
やっぱり…どこからどう見ても翔ちゃんなのに…
「翔ちゃん…?」
呼びかけると、少し身じろぎした。
溜息をついて、翔ちゃんを起こした。
「起きて?」
「ん…雅紀…?どうしたの…?」
「今日からここに泊まるからね」
「え?なんで?嫌だよ。お家帰ろう?」
翔ちゃんが縋るような目で俺を見上げる。
「ここは嫌…あの先生も嫌い…」
爪を噛むと、毛布をぎゅっと手繰り寄せる。
やっぱり…翔ちゃんじゃない…
「いいよ…帰るなら一人で帰りな。俺はここに泊まるから」
「雅紀…!なんでそんな意地悪いうの!?」
「いじわるじゃないよ…俺はここに居たいんだから…」
「そんなのだめっ…私と一緒にいて?雅紀…」
わかってるのに…翔ちゃんじゃないって…
だけどこんな顔されたら…心が痛いよ…
「美々子は…どこから来たの…?」
一瞬、それが翔ちゃんだとは思えないほど、恐ろしい顔になった。
「…なんでそんなこと聞くの?…」
「だって…美々子は俺のことたくさん知ってるのに、俺は美々子のこと、全然知らないよ?」
毛布をギュッと握りしめて、翔ちゃんは顔を逸らした。
「言いたくないもん」