第7章 ショコラscene3
「先程の対話は…あの美々子さんという女性と、櫻井さんとお話ができました」
翔ちゃんはとても俺のことを心配していたと…
そして、悲しんでもいたと。
「翔ちゃん…」
「安心してください。櫻井さんはちゃんとあの身体の中にいますから…」
ただ、俺と違って霊に憑かれるのは初めてで、とても疲れている。
俺は何度もそんな目にあっているからわからなかったけど、耐性みたいなものができているんだって。
だから、遊女に取り憑かれた時も黒に取り憑かれた時も大丈夫だったんだって…
「弱ってるから、身体を乗っ取られてるんですね…」
「そうですね。これ以上、この状態が続くと…」
「先生…」
「非常に危険です」
「翔ちゃんが消えるってことですか!?」
「その恐れはあります…」
そんなの…嫌だっ…
「相葉さん…美々子さんのことを我々は知る必要があります。櫻井さんを救い出すには、それが一番の近道です」
「はい…」
「相葉さんにやっていただきたいことが有ります」
先生は穏やかに微笑んだ。
そっと俺にティッシュを差し出すと、口元を指差した。
俺は赤くなりながら、大福の粉を拭った。