第7章 ショコラscene3
「まずは、美々子さんの本体を見つけましょう…」
そう言うと先生はメガネを引き上げた。
「相葉さん…すいませんでした。私もこんなに進行が早いと見ていなかったのが、こうなった原因です…」
「先生…」
「どうしても外せないもの以外は、予定を後に回しました。ですから、今日から全力で櫻井さんの除霊に力を注ぎます」
「…ありがとうございます…」
「もし良かったら、ここに泊まりませんか?」
「えっ…」
「副社長に掛けあって、スケジュールを暫く押さえましょう」
「先生…そこまでしていただいたら…」
「いいんです…私自身も、早く櫻井さんに帰ってきて欲しいんです…」
「ありがとうございます…」
「相葉さん…」
泣いている俺の背中を、先生が優しく擦ってくれた。
「私はね、相葉さん…あなたがたの眩しいほど、お互いを思いやっている姿を見ているのが、好きなんですよ…」
先生の言葉に、余計に涙腺が緩んだ。
「ああ…すいません…おおい!タオル持ってきてくれー!」
奥さんがタオルを持ってきてくれて、二人で暫く俺の背中をさすってくれた。
「相葉さん…大丈夫。きっと主人がなんとかしますから」
奥さんはニッコリと笑った。