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カラフルⅢ【気象系BL小説】

第6章 ノクターン






「大野さん起きて!今日、クランクアップなんでしょ?」

くたくたになって帰ってきたまんまの格好で寝てる俺を、和也が起こす。

あれから…
和也は見事、アカデミー主演男優賞を獲った。
スピーチで舞い上がった和也は、舞い上がりすぎて下手こいたけど…
それでも、和也が俳優としてのステージを一段上がったのは明確だった。
どこに行ってもついてまわる肩書だけど、それは俳優の勲章だ。

誇れ。和也。
そして、乗り越えろ。

「あー…やべ…風呂はいらないと…」
「沸かしてあるから、行っといで」
「さんきゅ…」

不意に肩を掴まれた。
振り返ると、和也の顔が近づいた。

唇に柔らかくて、温かい感触がきた。
目の前に和也の顔があった。
ちゅっと音を立てると、顔は離れていった。

「え…?」
「早く行ってきなよ」

そう言って和也はキッチンに入っていった。

「え…?和也…?」

和也からキスされるのなんて、初めてだった。
あの夜から、俺は和也に触れてない。
抱っこして眠ったりするけど、それ以外では触れたことはなかった。

なんとなく、和也が性的なものを避けているように思えたから。

唇を指で押さえた。

「…ありがとな…」

…まだ時々、和也は寝ているとき魘される。
多分、自分自身のことも許せてない。

それでも、和也は一生懸命生きてる。
両方の肩に重い物を載せながら、生きてる。
そんな和也を、俺はどこまでも支えよう。

共に生きよう。

俺の命が続く限り…


風呂から上がると、和也はリビングでうたた寝してた。
その横顔を見ながら、俺はしあわせに満たされていた。




全ての罪を洗い流すことなんてできない。
だから…



一緒に、歩いて行こう。




【END】
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