第6章 ノクターン
それから和也は少しずつ回復した。
ご飯も少しずつ食べられるようになった。
病院へ通う間隔が長くなって、腕の傷も塞がった。
あのテープみたいなのが取れた日、和也は俺に傷を見せてくれた。
「…こんなに何回も切っても、死ねないもんなんだね…」
そう言って少し笑った。
「ばか。死なれたら困るから急いで止血したの俺だぞ?」
「そんなことできるの?」
「上から押さえてただけだ」
くすくす笑って和也は腕をしまった。
「おかげで死に損ねた」
「おめでとう」
日々は過ぎていく。
俺も和也も仕事に復帰した。
元通りとはいかないけど、和也はやっぱり凄くて…
プロなんだなって思う。
家以外では、決して弱ってる姿を見せなかった。
”二宮和也”を演じきっていた。
その凄さに、見惚れる。
ドラマの撮影が始まって、家に帰ると和也は寝てることもあるけど、帰れば会えるという安心感があって。
俺は仕事に集中することができた。
こんなに人と暮らすのが嬉しいと思ったことはなかった。
こんなに愛おしい人と暮らすことが力をもたらすということを知らなかった。
どんなに疲れても、和也が家に待っていると思うと力が湧いた。