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カラフルⅢ【気象系BL小説】

第6章 ノクターン







『JUNE 17』



「和也ー?」
「なぁにー?」

キッチンで夜食を作っていたら、大野さんに呼ばれた。

「ほい。これ」
「なに?」

手を差し出されたから、手のひらを出すとコロンと何か転がってきた。

「…きれい。なにこれ?」
「ガムランボール」
「なにそれ?」

にこにこしながら、大野さんは俺の手の中のボールをつつく。
シャランシャランと真鍮の透明な音がする。

「バリ島のガムランって楽器の音色を閉じ込めたんだって」
「へえ…あ、この石…」
「ムーンストーンだよ」
「凄い…なんかグラデーションになってる…」
「綺麗だろ?」

その石は本来は白いんだけど、薄くブルーのグラデーションがついていた。

「くれるの?」
「うん」
「なんで?」
「だって、誕生日だろ?」
「えっ…だってこの前貰ったよ?」

ふふっと大野さんは笑った。

「それ、作ったんだ」
「えっ…」
「間に合ってよかった」

そう言うと、寝室へ入っていった。

「あ」

戻ってくると、俺の顔を両手で包んだ。

「お誕生日おめでとう」
「ありがとう…」
「…そばに居てくれて…ありがとう…」

そう言うと、大野さんは踵を返して寝室へ入っていった。



俺は、いつまでもガムランボールを見つめた。



ありがとう…大野さん…
いつか、いつかね。
立上がる日まで、待っててね。



好き…だよ…



【JUNE 17 おわり】
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