第6章 ノクターン
「和也…」
「留学の費用も…これから成人するまでの費用も…学費も全部…全部俺が払うから…大野さんは手を引いてよ…」
「和也…これは俺が、自分で望んでしてることだよ?」
「なんでそんなこと望むんだよ」
「言ったろ?俺はお前が好きなんだって…」
「…信じられないよ…」
和也を無理やり起こして、顔を見た。
目を逸らす和也は、綺麗な涙を零した。
「…お前なら、わかるだろ…?」
頬を流れる涙を指で拭った。
和也の潤んだ目が、俺を見た。
「ずっと俺を見ててくれたお前なら、俺が嘘ついてるか同情してるかわかるだろ?」
じっと俺たちは見つめ合った。
和也の探るような目。
俺は無心に見つめた。
「…一緒に暮らそう?これからも…ずっと一緒にいよう?和也…」
「大野さん…」
「俺にはお前が必要だよ…」
和也の手が、俺の方に伸びてきた。
でもすぐに落ちた。
「でも俺は…幸せになることはできないよ…」
「なんでだよ」
「人を一人、死に追いやった。人の人生、弄んだんだ…幸せになんてなっちゃいけないと思う」
和也の手を握った。
「お前は…生きてる…自殺した人と一緒に生きたまま死ぬつもりか?」