第6章 ノクターン
彼女は…本当は和也のファンだったんだ。
俺に近づけば、会えるかもって思って近づいてきた。
念願かなって、和也の子供を得た彼女は、一切周りに口を割らなかった。
都合がいいけど…助かった。
彼女は子供にも、俺のことも和也のことも一切言わなかった。
だから子供は俺達の関係は何にも知らない。
俺は母親の知り合いとして、あの子に接してきた。
この前はテレビ局の見学と言って来たんだ。
あの子が自分が誰にそっくりか知っているかは知らないけど…
もう、和也のことが世にでることはない。
だって、証言するひとが居ないんだから。
彼女の家族さえ、知らないんだから…
それに、和也にそっくりなあの子は、海外に留学する…
それは、俺からのプレゼントだった。
そして事務所もそれはバックアップしてくれた。
だから、大丈夫だよ…
お前のこと、守れたんだよ…
全て語り終えると、和也は信じられないという顔をした。
「ごめんな…今まで言わなくて…」
「やっぱり…俺の子なんだね…?」
「…うん…」
「ごめん…」
そのまま身体を両手で抱えて、蹲った。
「だから…大丈夫だから…」
「今までの養育費…払うよ…」