第6章 ノクターン
この13年、ニノの壊れていく姿をただ見ていた。
ニノの気持ちに応えられないから。
でも…ひとつだけ気づいたことがあった。
こんなことになったからじゃない。
ニノが傷ついて動けないからじゃない。
同情なんかでも、もちろんない。
こんなに俺を好きでいてくれたやつ、居たか?
今まで、芸能人だからって、嵐だからって寄ってくる女はたくさんいた。
モテて気分も悪くないから、いろんな女と付き合った。
だけど、そのどれもがこんなにも俺のことを好きで居てくれたか…?
あの夜…ニノの彼女が死んだ夜。
こんなにも、ニノは俺のことを好きなんだと思い知った。
不謹慎だけど…
人を死に追いやるくらい、ニノは俺のことが好きなんだと。
間違ってるかも知れない。
もう、俺なんかとうに好きじゃないかもしれない。
だけど、俺は自分が感じたその思いを素直に受け止めようと思った。
そして、ニノに向きあおうと思った。
それは、俺にしかできないことだから…
ニノが腕を切った前の夜、ニノは俺の肩にしがみついて泣いた。
俺の肩に乗っかってる重いものを取り除こうと、必死だった。
自分はもっと重いものを背負ってる癖に…
だから、俺は…
お前の身体を縛り付けてる全てのものを、取り除いてやるよ。