第6章 ノクターン
まとまった俺の休みも終わろうとしていた。
ニノももう復帰しないといけない時期が来ていた。
だけど、ニノの状態は何も変わらなかった。
その日は、暖かい日だった。
陽の光がリビングに差し込んできて、暖房もいらないくらいだった。
ニノはソファで丸まって眠っている。
お気に入りの俺のブランケットを抱いて眠ってる。
床に座って、その寝顔を見つめた。
相変わらず眠っていると子供みたいに純真な顔をしている。
「ニノ…?」
規則正しい寝息が聞こえる。
そっと頬に指で触れた。
吸い付くような肌は、俺の指を受け止めてくれる。
「…和也…?」
ニノの目は開かない。
そっと目に掛かる前髪を上げた。
そのまま、唇に触れた。
…あの時のニノがそうしたように。
あの時…ハワイのあの夜、俺はニノの気持ちに気づいた。
俺の唇に触れていったニノの指。
熱い指だった。
京都の夜、俺はどれだけ残酷なことをしたのか悟った。
だけど、俺にはどうすることもできなくて…
あくまで俺は男、ニノも男。
俺は男を抱けないし、ニノのことも抱けない。
だから…突き放すしかないと思った。
俺にはそうするしかなかったんだ…