第6章 ノクターン
そっとその包帯に触れた。
俺が…気をつけていたら付かなかったはずの傷。
俺がニノを壊さなかったら付かなかったはずの傷。
ゆっくりとその包帯を取ってやった。
ニノがつけた傷の上にはテープのようなものが貼ってあって。
そこにそっと触れると、ニノは腕を隠してしまった。
「それはそのままとらなくていいから…」
ご家族に聞いておいてよかった。
ニノはそのまま立ち尽くしてしまったから、俺は自分の服を脱いでから、ニノの服を脱がせた。
「さ、行くぞ」
手をとって一緒に浴室に入った。
病院にいる間、ニノは風呂に入れなかった。
なにしろ入院自体、極秘のものだったし。
傷も深かったから…
軽くシャワーで身体を濡らすと、先に身体を洗ってやった。
イスに座らせて、頭から順番に洗っていった。
ニノの体臭が濃く立ち込める。
こんな匂いだっけ…
身体を隅々まで洗うと、俺もざっと洗い流した。
そのまま一緒に浴槽に浸かる。
ニノの身体がうすピンク色に染まる。
綺麗なしっとりした肌が、俺に吸い付いてくる。
「ニノ、お湯加減どう?」
頭を横に振った。
問題ないということだろう。
そっとニノの身体に腕を回した。
こうしていないと、どこかに消えてしまいそうだったから。