第6章 ノクターン
ニノが俺の部屋に来るのをいやがるかと思って、新しい家に俺の荷物を運びこんだ。
元のマンションはもう引き払ってあるから、ニノの家はもうここしかない。
ニノの荷物もなんとか片付けることができた。
勝手だけど、俺の部屋も作らせてもらった。
後は…部屋の主が帰ってくるだけ…
病室に入ると、ニノは着替えてベッド際に座っていた。
「ニノ」
ニノは俺の方にゆっくり振り返った。
俺を見ると驚いた顔をしたけど、またすぐに表情が無くなった。
お母さんやらお姉さんが、俺に頭を下げてきた。
暫く俺が面倒見ると申し出た時は、遠慮されたんだけど。
自分たちでニノをどうすることもできなくて、俺の申し出にすがるように許可をくれた。
「じゃ、お預かりしますので…」
そう言ってニノを病室の外に連れだした。
キャップを目深に被せて、素早くマネージャーの車に乗り込む。
そのままニノの家にまっすぐ向かった。
「なんか寄りたいとこある?」
ニノは黙って首を横に振った。
そのまま窓の外をぼーっと見つめている。
そんなニノの手を俺はずっと握っていた。
温かい手…
よかった…ニノ、ここに居る…
生きてる…