第6章 ノクターン
スマホを見たら、大量の着信とメッセージ。
俺を心配するメンバーから…事務所からの業務連絡…
とにかくたくさん来ていた。
一番最後に、知らないメアドからのメール。
開いてみたら、一行だけの言葉。
”待ってる”
そっか…あいつ、待ってるんだ。
いかなきゃ…
部屋のカードキーを取り出した。
行こう…俺の部屋へ。
そっと大野さんの部屋を出る。
大通りに出てタクシーを捕まえて、マンションに帰った。
なぜだか心が安らいだ。
だって、出来の悪い映画はもう終わる。
終わるんだ…
エレベーターに乗って、部屋の前に着く。
カードキーを差し込むと、解錠された。
中に入ると、いつもどおりの俺の部屋があった。
リビングの扉を開く。
家具が…乱れて置いてあった。
その中央の白いラグ。
そこには大きな血だまりが乾いてる。
その前に座ると、その痕を触った。
乾いた血は、現実のものじゃなかった。
おかしいな…ここで終わるはずだったのに…
そうか…終わるのは俺だった。
あいつ、待ってるって言ってたもんな。
「待ってろ。今、行ってやるよ。お望み通り」
ローボードの引き出しからカッターを取り出す。
少しずつ刃を出した。