第6章 ノクターン
「あんたの才能を目の前にしたら…どんな役者だってそう思うだろうよ…」
「え?」
「日本の役者が…したいと思う芝居を、あんたは軽々とやってのけるんだ…」
「おい…ニノ?」
「わかってるよ…大野さんが努力してるって…だけどね…努力じゃどうしようもないものだってあるんだ…」
俺は起き上がった。
真っ暗な部屋…
大野さんの体温が、シーツ越しに伝わってくる…
「あなたは特別なギフトを…神様から貰ってるんだ…」
「ニノ…」
大野さんが起き上がって俺をベッドに横たえる。
「今は…余計なこと考えるな…な?」
俺の目の上に手をのせる。
「寝よう…傍に居るから…」
そっと俺に布団を掛けると、大野さんも俺の隣に横になった。
そっと俺の手を握った。
「寝よ…?ニノ…」
そのまま、吸い込まれるように眠りについた。
起きたら、部屋が少し明るい。
遮光カーテンの隙間から、朝日が差してた。
なにもすっきりしない頭を振って、ベッドからそっと降りた。
大野さんは安らかな顔で眠ってる。
その眠りを邪魔しないように俺は寝室を出た。
そのまま洗面所に行って、自分の服があったから着込んで。
リビングに置いてあった自分の荷物を手にとった。