第6章 ノクターン
気がついたら、湯船に浸かっていた。
後ろには大野さんが居た。
「ニノ…とにかく今は忘れよ…?」
「大野さん…」
力が上手く入らなかった。
そんな俺の身体を大野さんは支えてくれて。
なんとか身体を洗い終わると、バスローブのまま寝室へ連れて行かれた。
温かい布団を掛けられて、隣に大野さんは潜り込んできて。
「寝よう…ニノ…」
なんで…?
なんでこんなことしてくれるの…?大野さん。
俺はあなたに罪をなすりつけたんだよ…
「あ…」
「ん?どうした?」
「大野さん…あの子…」
俺は起き上がると、大野さんの肩を掴んだ。
「あの子…あの時の子だよね!?」
声が大きくなった。
でも大野さんは驚く様子もなく、そのまま笑った。
「…なんのことだよ…」
「ほんとのこと言って…お願いっ…あの子、俺の子だよね!?」
「違う。あれは俺の子だ」
「大野さんっ…」
「今まで養育費だって払ってるし…認知はしてないけど、あの時の俺の子だよ」
そう言って目を閉じた。
「さ、もう寝よう?」
「嘘つかないでよ…だってあんなに俺にそっくりなんだよ…!?」
「違うって言ってるだろ」
「お願い…ほんとのこと…言ってぇ…」
大野さんの肩に縋り付いて、俺は泣き崩れた。