第6章 ノクターン
寒い…2月の東京はいつもの年よりも温かくて…
なのに、俺の身体は凍えてた。
目を開けたら白い天井が見えた。
傍らを見ると、マネージャーが座っていた。
点滴…だから身体が冷たいんだ…
「あ…二宮さん…」
マネージャーが立上がる。
「大野さんの家で、倒れたんです…あれから一日中眠ってました…」
「そう…もう大丈夫だから、家戻る…」
「いいえ…だめです」
「…なんで?」
「今回のことはもみ消すそうです」
「…なんでよ。そんなことできるわけ無いだろ?」
「あなたは…!」
マネージャーが俺の傍に立った。
「あなたは、今年のアカデミー主演男優賞の最有力候補だ!わかってるんですか!?なんでそんな自覚がないんですか!?」
「え…?何いってんの俺がとれるわけないだろ…」
「観客動員数、話題性、興行収入、どれもトップです…それでも、自分は取らないと言えますか?」
「そんなこと…」
「おまけにあなただけじゃない。山田監督や吉永さん、共演した皆様…そして、嵐に…どれだけの影響が出ると思ってるんですか…」
なにも言えなかった。
俺一人の問題じゃない…
「それに別にあなたは罪を犯したわけじゃない。あなたの罪は…永遠に葬られる」