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カラフルⅢ【気象系BL小説】

第6章 ノクターン


外に出たら、ひどい雨だった。
真冬の冷気が身体に突き刺さる。
時々、雷も鳴ってる。
俺は大野さんの隣に座りながら、窓の外を眺めてた。
大野さんは隣で居眠りを始める。

でもわかる。
寝てないよね…?

俺の自宅が近づいてくると、俺は大野さんの手を握りしめた。
びくっと大野さんは身体を震わせた。

「俺んち、寄ってってよ…」

観念したのか、大野さんは目を開けた。

「俺ねえ、明日、朝から撮りだから…」
「来てくれるよね?」
「ニノ…」

ぎゅっと強く手を握りこむと、痛みで顔を歪めた。
一つ溜息を吐くと、俺の手を外した。

「わかった…」

ぴかり、稲妻が大野さんの横顔を照らした。
マンションの前で二人おろしてもらうと、エントランスに駆け込んだ。

「すごい雨だなあ…」

ひとりごちて上着についた雨を払うと、じっとしてる俺を見つめた。

「ニノ…」
「部屋、行こう…」

大野さんが後ろをついてくる。
なにから話せばいいかわからなかった。
切り出すには、あまりにも俺は逃げすぎて…
逃げすぎたから、問題の核がどこにあるのかわからなくなっていた。
エレベーターに乗ると、大野さんの息遣いが聞こえる。

好きだ、と。

そう思っていた。
その思いすら、今はもうわからなくなっていた。

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