第6章 ノクターン
マンションに着くと、まっすぐに部屋に向かった。
明け方、まだ外は暗い。
部屋にはいると、電気をつけてリビングに入る。
ぎくっと足が止まる。
「…居たんだ…」
そこに立っていたのは、この前から付き合いだした女だった。
売れないアイドルしてて、一回共演したらホイホイついてきたから、相手をしてやったらマジになっちゃって…
あんまりしつこいから、彼女にしてやったとこだった。
「どこ、行ってたの…?」
「飲みに行ってた」
「嘘…」
シャワーくらいしてくればよかった。
女の臭いがまだ残ってる。
「かずくん…私の他に誰か居るんでしょ…?」
「居ないって…」
上着を脱ぎながら顔を逸らす。
女って無駄に勘がいいから面倒くさい。
「わかってるよ。かずくんモテるもんね…」
「だから違うって言ってるだろ」
そのままバスルームへ向かう。
こういうのも…
もう何回もあった。
モテるからなんだってんだよ…
浮気してるからなんだってんだよ…
これ以上お前らは何を望むんだよ。
俺とセックスできてんだろ?
会いたい時に会えるだろ?
何が不満なんだよ…
俺は…そんなことできないのに。