第4章 ヴェニット
結局…3人で居酒屋に来てる…
あんな子犬みたいな目をしたニノを無碍にもできなくて…
いい気分でニノは酔っ払ってる。
隣にいるおーちゃんはいつも通りなんだけど、ジリジリと壁のほうに距離を詰めてる。
ニノは気づかないで、その空いた距離をあっという間に埋めてしまう。
「おおのさーん、飲んでるう~?」
「お、お前、飲み過ぎなんだよ…」
寄りかかってきたニノをなんとか座らせようとするけど、ニノはおーちゃんの顔をじっと見て、離れようとしない。
「最近…なんでくっついてくれないの…?」
「え?」
「なんで俺のこと避けるの?」
「そんなことしてないよ…」
「じゃあなんで…逃げようとするの…?」
まて…コレじゃ痴話喧嘩じゃねえか…
「にーの…ほら、イカちゃん上げるよ~こっちおいで?」
イカの刺し身を頑張って掴んで、ニノの口元に持っていく。
「あ…イカちゃん好き…」
ニッコリ笑うと、あーんと口を開ける。
赤い舌が出てきて、絡めとるようにイカの刺し身を持っていく…
うわ…やべ…やらしい…
ぺろりと唇についた醤油を舐めると、ニノはまた俺の方を見た。
「もっと、ちょーだい?」
「お、おう…」
しばらく俺はそうやってニノに刺し身を食わせていた。