第3章 チェリー・ポップ
暫く翔ちゃんは俺の頭を撫でていてくれた。
心地よくて、いつしか涙も止まった。
「ありがとう…翔ちゃん…」
そう呟いたら、ぽんぽんと頭を包まれた。
「飯、なんか買ってきてやる」
そう言って立ちあがった。
「鍵、借りて行くからな」
翔ちゃんが居なくなった部屋は、静かで…
ベッドで寝転がったまま、空っぽになっていくのを感じた。
なんだか…疲れた。
そう思ってウトウトしていたら、チャイムが鳴った。
なんか荷物頼んでたっけ?
痛む身体を引きずってリビングに行くと、モニターに写っていたのは、大野さんだった。
「えっ…!?」
あの人今日はドラマの撮りのはず…
なにやってんの…
オートロックを開くと、大野さんが駆け込んで来るのが見えた。
暫く玄関で待つと、チャイムが鳴って。
玄関を開けると、息を切らした大野さんが立ってた。
「かず…」
そう言ったまま絶句した。
「なに…?どうしたの…?」
入るよう促すと、大野さんは玄関に踏み込んで下を向いている。
「ドラマの撮りじゃないの…?」
そう聞いたら、首を横に振った。
「もう、今日はあがりだから…」
腕時計を見たら、結構な時間になっていた。
「そっか…お疲れ様」