第3章 チェリー・ポップ
気がついたら高校生は居なくなってた。
「痛って…」
体中痛くて起き上がれない。
「どんだけ俺に八つ当たりすんだよ…馬鹿…」
とにかく家に帰らなきゃと思うけど、身体に力が入らない。
そのまま駐車場で転がっていたら、スマホが鳴った。
ポケットから取り出してみたら、翔ちゃんからだった。
「…もしもぉし…」
電話が鳴るってことは緊急の用件だ。
だから、これはちゃんと出なきゃ。
『おいニノ!?無事か!?』
「へ?」
『Twitterでお前が絡まれてるって流れてて…』
「へぇ…便利な世の中だね…」
『無事なのかよ…』
「隠し事もできやしねえ…」
『え?オイ…ニノ?』
「ふふふ…」
ぽろり、涙が零れた。
「うっ…う…ふ…」
『ニノ…?どうしたんだよ…』
なんで…俺、生きてるんだろ…?
芸能人だからって…
なんでコソコソして生きてなきゃいけないんだよ…
こんな目に遭ったって、警察にも相談できねえし…
恋愛だって自由にできねえし…
自分が選んだ道とはいえ、理不尽なことが多すぎる。
だから嫌なんだ…
人間なんて…
大嫌いだ
誰のことも幸せにできない俺なんて…もっと嫌いだ