第2章 グレイscene3
帰りの送迎車で、大野さんは窓に凭れて眠ってる。
隣に座ってる俺の肩は空いてるのに。
いつになったら…
俺のこと、頼りにしてくれるの?
本当の意味で、俺はあなたに認められていないの…?
愛されて…ないの…?
そっと大野さんの手をとって握る。
ふと目を覚ましたあなたは俺に向かって微笑み掛ける。
こつん
おでこをつけてくれた。
「ニノ…愛してる…」
誰にも聞こえない、小さな声で。
俺だけに囁いてくれる。
「俺も…愛してる…」
苦しいくらい…愛してる…
マンションに着くと、手を繋いでエレベーターに乗る。
そのまま手を繋いで部屋までの短い廊下を歩く。
この時間が、とっても好きだ。
ただ、二人だけの世界。
でもここは外で…誰かに見られる危険もあって。
なのに大野さんはしっかりと俺の手を握っていてくれる。
「帰ったらすぐ風呂はいろっか」
「うん…」
連日のドラマ撮影で大野さんは疲れきってる。
でも俺にはそんなこと、一言も言わない。
黙って眠そうな顔で、毎日家を出て行く。
たまには弱音だって愚痴だって吐いて欲しい。
なんで俺には…言ってくれないのかな…
淋しい…
もっと…近くに…もっと…
愛して…?