第2章 グレイscene3
雅紀の車に詰め込まれるように載せられて、ニノが俺の隣に乗った。
そのままどこに向かうのかと思ったら、雅紀の家に車は到着した。
がしっとニノに腕を掴まれて、車から無理やり降ろされる。
「あ…あの…?」
「翔さん、ご飯食べたよね?」
「あ、ああ…楽屋の弁当食べたよ?」
「じゃあ夕飯要らないね」
ニノが言うと、雅紀がこくりと頷いて先に立って歩き出した。
「ちょ、もうなんなんだよ一体」
「いいから、着いてきて」
腕を振り払おうとしたら、すっと離されて。
なんだか振り下ろす先がなくなってしまった。
そんな俺を無視して二人はスタスタ歩いて行く。
タブレットを人質にされてるから、しょうがなく後をついていく。
雅紀の部屋に入ると、リビングに入れられる。
「なあ…もう、なんで怒ってるのか言ってよ…」
「翔さんさあ…俺達が翔さんのこと好きって知ってるよね?」
「え…まあ…そりゃ…」
ほんのひと月前…
俺は雅紀とニノから同時に告白された。
だけど…そんなの選べないし。
なにより、俺たち男だし…
どうにもならないじゃん。
「なのになんで…?潤ならいいの?」
「え?なんのこと…?」
「なんで潤は…知ってるの…?翔さんのこと…」
思い当たることがなくて、俺は戸惑うばかり。
「なんで夜会でやった催眠術のこと、潤が知ってるの…?」
「あ…」
先週の放送、夜会では菜々緒ちゃんの催眠術をやっていた。
その話をたまたま楽屋で潤にしたんだよね。
そしたらその時のしやがれの収録で潤が催眠術の話をして。
そのオンエアを見たんだ。
「あれはたまたま…楽屋で話をしただけ…」
「なんで…なんで潤には話すの!?」
「別に特別な意図はねえよっ…」
「翔ちゃん…俺達の思いには応えられないのに…潤ならいいんだ…」
「え…?何いってんの…?」
「潤も翔ちゃんのこと好きなんだよ?」
何言ってるのかさっぱりわからない。
ぽかんとしてる俺の上に、ニノが乗っかってきた。
「大野さんだって…ずっとあなたのこと…狙ってるんだよ…?」