• テキストサイズ

カラフルⅢ【気象系BL小説】

第2章 グレイscene3


収録に入るまで、俺は誰ともしゃべらず、楽屋の隅で拗ねていた。
皆、気を使ってくれてたけど、肝心のあの人はオロオロするだけで、なんにも俺のことわかってない。

ねえ…あなたまだわかってないの…?
こんなに俺、あなたのこと好きなのに。
まだ気づいてくれないの…?

Wink Upのあの伝言板は、全部、本当のきもち…
あなたはフザケてるのかもしれないけど。
俺はいつも本当のこと、言ってたんだよ…?


スタジオに入ると、ゲストさんたちも入ってきた。
順番に皆さん紹介されて、あいさつしている。
あの娘の番になったとき、そっと大野さんの顔を盗み見た。

…気に入らない…

鼻の下、伸びてるよ…こんにゃろ…
拍手が鳴り響く中、俺は愛想笑いをするだけで精一杯だった。
別に大野さんとつきあいたいとか、そんなこと思ってるわけじゃない。
あの人の女好きは知ってる。
だけど…気づいて欲しかったんだ…
俺があなたのこと思ってるって。
ただ…それだけでよかったんだ…

俺は弱いから、自分の気持ちを真剣にあの人に伝えるなんてことできない。
多分、一生言うことなんてできないと思う。
だからせめて…気づいてほしかった。

それだけなのに…

収録が進むと、ますます俺の”気に入らない”は積もっていく。
嬉しそうにドラマの共演者と話す大野さん。
あの娘を見る視線は、特別優しい。
若くて可愛い女の子だから、成人男性だったら普通の反応なのかもしれないけどさ…

それでも俺にはそれが大野さんの特別な感情に見えて仕方なかった。

「波留さんとがんばります!」
「大野さんとがんばります!」

二人で手をガッツポーズしながら言ったあのセリフ。
台本に書いてあったセリフだけどさ…
なんだかじわじわと俺の心を侵食した。

/ 1000ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp